暖かい一日でした。
今日は,午後から三河教育研究会定期総会・教育講演会が蒲郡市民会館で開かれました。
教育講演会は,神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネジャー兼総監督の平尾誠二氏が講師でした。
『気づかせて育てる』を演題に,伏見工業時代の山口良治氏や同志社大学時代の岡仁詩氏から学んだことを,平尾氏のわかりやすい言葉で語っていただきました。
講演の最初に,「適当に聞いてほしい」と言われました。そうすると“想像力を巡らして聞く”ことができるのだと。
監督として選手や子どもたちを指導してきて,一番大切なのは『モチベーション』であり,戦略や戦術は選手が知っているのだそうです。
“モチベーション”を高めることを,講演全体を通して語られました。
平尾氏の45年の人生で,伏見工業高校の3年間以上の厳しさはなかったと言われました。
その3年間,「くそっ!」っと,山口良治監督の“突き放し”に反発して練習に取り組んだことで,強いチームになれたそうです。
ところが,現代っ子は,その『反発係数が弱まっている』と言います。
“反発係数”は,何か言われたときに「くそっ!」と思い,反発してくるエネルギーを言うようです。
例えば,「そんなプレーをするのなら,もう明日から来るな。」と厳しく言われたとき,以前と今では反応が違ってきています。
平尾氏の高校時代のように,「なにくそ。今に見返してやる。」と,これまで以上に練習に打ち込みました。
ところが,今では,本当に次の日の練習に来なくなることがあり,それが“反発係数の弱さ”だと言っています。
この変化に,「突き放し」から「たぐり寄せ」の指導に変えてきているそうです。
「大丈夫。みんなそうだった。」と傷を癒す。
「君には期待している。だから特別に秘策を与える。」と呼び寄せ,耳元で静かに話しかける。
「君の体重は?…」
ハードルを下げていくことで,『人間は,やれそうなことは頑張る』から,それができる。
「見事だ。」と。
それに不満を感じる上級者(自称?)がいる。その子には,
「君も,この頃には,そうだっただろ。」「君みたいな熟練者は…」
「教えてあげたら…」
ちょっとできたこと,周囲が沸き立ったことで,“自分もできるかも”と思い,自分から練習を始めてくるそうです。
強制されて練習するのではなく,自ら取り組み始めます。
「“自信喪失感”を払拭する」ことが大切だと言われました。
情報化社会となり,カリスマ性を保てない時代になった。
キャパシティや度量を高め,異質を受け入れる力を付けることが大切だと強調されました。
異質を受け入れ,それを戦力化していく力が,今こそ必要だと。
「クセが無くなったら凡人」
相手を変えようと思っても容易なことではない。
自分の度量のなさを気にしてみる,自分のしていることに疑問をもってみることから初めてみたい。
まず自分が変わるのが近道だと。
講演の後半,同志社大学時代の岡仁詩監督から学んだことが続きました。
「ミスを反省している間に,次のことを考えろ。」
「生かせる反省でないなら,意味がない。」
ミスには「しかたがない」ことがある。
決勝に向けタックルの練習をしている平尾氏らに,「それ,面白いんか?」と岡氏が尋ねたそうです。
1点取られないために“つまらない練習”をするより,3点取る練習をすればよいのだと。
そこから,チームは一気に楽しく意欲的に練習に取り組み,“楽勝じゃない”と…。
「人間は,必ず過ちを犯す。」から,その次が大事。失敗を恐れずに,もう一回挑戦すればよい。
それで失敗したら,「しかたがない。」
十分に表現ができませんが,平尾氏の賢さを感じる講演でした。
山口氏,岡氏と出会った人は多くいるでしょうが,「同じ言葉から同じ学びをしたか」というと,そうではないと思います。
山口氏,岡氏の話や言葉を紹介されましたが,それは平尾氏の“受け取った言葉”だと思います。
平尾氏が語った,『人それぞれである』『度量を高め,異質を受け入れる』ということを意識して行動していきたいと思います。
ギュッと言葉の詰まった密度の濃い時間でした。
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